「お誕生日おめでとうございます!」
「あっ、すみません、確かに『お誕生日おめでとうございます』といれてくださいとオーダーしたのですが、私の誕生日ではないんです」
「そうなんですか」
「小説を書いておりまして、その登場人物の誕生日なんです」
「そうなんですか」
「彼の好物が、資生堂パーラーのいちごパフェで……」
「資生堂パーラーのパフェなんですか?」
「はあ、あの、彼のお店は銀座七丁目でして……」
「はあ」
なんやかや笑劇のようなことがありつつ、お祝いしてくださったお姉さん、本当にありがとうございました。メニューでろうそくを隠して持ってきてくださるサービスで、直前まで火がついていることが見えず、あわあわするやら嬉しいやらです。クリスマスの銀座の資生堂パーラーという固有名詞を並べるだけでとんでもない人出が想像できる中(実際にすごい人出でした)、『いつもの資生堂パーラー』を味わわせてくださったことに感謝します。本当にありがとうございました……。
お誕生日おめでとう。
あなたが生まれてきてくれて、私は本当に嬉しい。