アニメにまつわる話1

September 24,2019

ふたつ下のblog記事でもおしらせしておりますが、
宝石商リチャード氏の謎鑑定が、アニメになります。
来年2020年の1月から放送開始、
現時点ではまだキャストさんなどの発表はされていません。

アニメですって……?
アニメって、あのアニメ……?
絵がうごく……?
小説が……? アニメに……?
これはペンですか……? いいえこれはトムです……

今でもまだ「ひょっとしてこれは長い夢なのかもしれない」という気持ちがないではないのですが
夢だとしても感謝したい人が多すぎるので
今のうちにここにメモを作っておこうと思います。

ひょっとしたらこのメモは
宝石商シリーズを支えてくださった方には面白がっていただける、作者のルポ話になるかもしれないし
あるいは去年の私が探しまわった末に見つけ出せなかった
『自分の小説がアニメ化されることになった時、作家には何があるか』というケースの
出せる部分のみになるとは思いますが
ちょっと珍しい実録になるかもしれません。

というわけで以下、ルポです。

—-

大事なことはいつも大文字で書いておきたいです。

Don’t panic.(パニクるな)

1 アニメ化するかもしれないという連絡があったの巻

201x年のある日、いつものように辻村がボーッとしていたところ
担当編集のXさんから電話がありました。

これからもたびたびXさんのことを描写すると思うので、外見イメージがないと不便だと思うので、何か適当な動物を想像しようと思ったのですが
血色のよいたぬきか、つやつやのアライグマの二択になりました。
(ど、どっちがいいでしょうね、Xさん……!)

作家と担当さんの打ち合わせは、対面だったり電話だったりと
作家、担当さんそれぞれの事情で変化すると思いますが
辻村の場合は電話が多いです。

原稿のことやスケジュールのことを手短に話したあと
そういえばですねという感じで切り出されたのが

『リチャードにですね、アニメ化の話をもらいまして』

え??

ワッツ???

アニメ????

Animation????

いやいやいや待て待て待て、パニクるな。
そんなにうまい話が瓢箪から駒のように出てくるなんて何かがおかしい。パニクるな。冷静に状況を判断しなければならない。
よし。

「……はあ(辻村、必死のローテンション)」

『辻村さん的にはどうでしょう。OKですか?』

あっ、そこから?
そこからなんですか?

私がここで「それはちょっと」と言ったら話は消えるのかな、とちらと思いました。
でもこれはセーブのあるゲームじゃないし、全部の選択肢を潰したあとにトゥルーエンドを見たいなって思ったとしても
やり直しがききません。

なら一択です。

「わかりました。もしそういうお話があるなら、前向きにすすめていただければと思います」
『わッかりました!』
(※ 担当のXさんは、機嫌よく「わかりました」と言うときには、最初の音を撥音気味に発音します。気持ちはわかります。だってアニメだし)

しかし、アニメ……アニメかあ……!

と、ほわほわしていた辻村に、Xさんの言葉が続きます。

『あっ、でもですね、辻村さん』
「はあ」

その時、辻村に衝撃走る――!(かもしれません)

→ to be continued!!
(2へ続きます)

こんな感じのルポです。
「ご笑納ください」以外の言葉が見つからないのですが
当時の辻村と一緒にドキドキしたりハラハラしたり、ラウンダバウトしてくださったら、とても嬉しいです。